重症心身障害児(者)施設で働く看護師はどんな人が向いているのでしょうか。
医療的ケアが必要なケースもありますが、臨床看護師とは異なり主に利用者の生活を援助する業務が中心となります。
施設では穏やかに暮らしている利用者が中心ですので、病棟や外来での看護とは異なり時間に追われた業務にはなりにくいのが特徴です。
生活援助中心と言っても、利用者の多くは経管栄養や気管切開の上での人工呼吸器装着者、てんかんなどの持病を持つ人です。
また、寝たきりの状態が続くことで褥瘡を持つ人もいるでしょう。
拘縮や行動障害などの観点からバイタルチェックが難しい、万一の際のルート確保がしにくいといったケースも少なくありません。
看護師としてのスキルは、初心者よりも経験者が向いています。
経管栄養や皮膚・排泄ケアの知識やスキルを持つ看護師が向いているでしょうやはり、排泄や入浴などの解除も伴うので体力勝負であることは言うまでもありません。
また、利用者は重度の心身障害を持つ人ばかりなので、利用者との意思疎通が難しい場面が多々あるため、レスポンスが望めないケースや、利用者の訴えが読み取れず、互いに苦しい思いをすることもあるでしょう。
こういったマイナス面で切り替えが上手にできる人も向いています。
重度心身障害児(者)と表記する理由として、18歳を過ぎてからも同一の施設を利用する人が少なくないことが挙げられます。
そのため、施設で働く看護師が慢性期はもちろん、終末期や緩和ケアに携わることも少なくありません。
このことからあらゆるステージにいる利用者に寄り添えるような看護ができる人も向いていると言えるでしょう。